最近、というかしばらく前から、SEOの営業電話では「被リンクにはIP分散が大切です。とくにクラスCでの分散が大事なんです。googleがこのクラスC分散に関して特許も取っているんです。」というような電話が多いと聞きます。
Web上でも、「IP分散 SEO」などと検索すればいろいろ出てきます。そしてほとんどのページでは「クラスC」という言葉と「googleのパテント」などという言葉がセットで出てきます。
ToFU開発スタッフのひとりである私も、英語力の無さから裏をとることを怠けていました。しかし先日のことです。サーバやネットワーク関係を専門にされているO氏とIP分散に関して話しているとどうも話が噛み合いません。
とくに「クラスC分散」という言葉です。
「クラスC」の誤解
SEOに有効なIP分散に関する記事をいろいろ読んでいて、私は「クラスC」というものを次のように理解していました。
サーバのIPアドレスが例えば111.222.333.444だったとして、「111」の部分がクラスA、「222」の部分がクラスB、「333」の部分がクラスC、「444」の部分がクラスDだと。(註:ドットで区切られたそれぞれの数字は0~255までですが、わかりやすく333とかの数字にしています。)
その場合、googleのパテントなるものから導きだされる結論は、「111.222.333.444」のサーバからのリンクと「111.222.333.445」のサーバからのリンクは類似サーバからのリンクとして2カウントではなく1カウントになる、ということです。2つのページからのリンクをちゃんと2カウントさせたければ、「111.222.334.444」のように「クラスC」以上を分散させる必要があるということです。
ネットワーク技術での「クラスC」という用語
しかし、ネットワーク技術での「クラスC」という用語は別の概念のようです。
こちらに調度良い記事を見つけました。「@IT:連載 基礎から学ぶWindowsネットワーク 第8回 アドレス・クラスとさまざまなIPアドレス 1.IPアドレスのクラス」です。詳しくはこの記事をご覧頂くとして、一部を引用しますと
クラスC
最上位の3bitが「1-1-0」ならば、そのIPアドレスは「クラスC」になる。具体的には192.0.0.0~223.255.255.255」が該当する。これは全IPアドレス空間のうち、8分の1に相当する。
とのことです。上述の私の理解とはまるっきり違います。
googleのパテントなるものを読んでみる
では、googleは例のパテントなるものの中で本当に「クラスC」と言っているのか。言っていないとすれば、なんと言っているのか。拙い英語力で調べてみました。
三日三晩の徹夜続きでようやく見つけたのが、以下の箇所です。
(※googleのパテントなるものはこちらからどうぞ。)
この英文では、「『IP3(x)』が、IPアドレスの最初の3つの8ビットを意味することにしよう」ぐらいのことが書いているようです。
※「最初の1つの8ビット」だと111.222.333.444のうちの「111」の部分になります。「octet=8ビット」という意味で、8ビットというのは2の8乗で256という意味です。従って最初の3桁である111の部分が「最初の1つの8ビット」となります。
その続きは「もしあるドキュメントxの置かれているサーバIPの最初の3つの8ビット(訳注:つまり「IP3(x)」)が、別のドキュメントyの置かれているサーバIPの最初の3つの8ビット(訳注:「IP3(y)」のこと)と同じ場合、ドキュメントyは取り除かれる」ということらしいです。
なにから取り除かれるか、というのは「リンクを評価する元となるデータ群」ぐらいに理解しておくとします。(とお茶を濁す。)
結論
結局、googleのパテントなるものでは、「クラスC」という用語は登場しないようです。少なくとも私の三日三晩の読解範囲では登場しませんでした。わざわざ「IP3」という言葉を定義するぐらいなので、おそらく「クラスC」は登場しないはずです!(間違っていたらご指摘お願い致します!)
ただし、いわゆる「クラスC分散」で理解していた結論自体は間違っていなかったようです。再掲しますと、
「111.222.333.444」のサーバからのリンクと「111.222.333.445」のサーバからのリンクは類似サーバからのリンクとして2カウントではなく1カウントになる、ということです。2つのページからのリンクをちゃんと2カウントさせたければ、「111.222.334.444」のように「クラスC」以上を分散させる必要があるということです。
の理解は正しかったということです。
以上の理解のもとネットを検索してみると、ネットワーク分散/IP分散されたリンクの重要性とは? | SEO NEXTの記事はわかりやすくて私が判断できる範囲ではとても正確です。
以上、googleパテントから裏を取ってみましたが、得られた教訓は「クラスC分散という言葉を使っている人はgoogleパテントをちゃんと読んでいないかも」というぐらいでしょうか(実りが少ない・・・)。(気をとり直して)そもそも「クラスC」と言い出したひとは誰なのか。由来などご存知の方はご一報頂ければ幸いです。twitterで@tofudeveloper宛にこんな風につぶやいて頂けると嬉しいです!!